童話 おさかなのとんだ日 6

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サメは幸い傷がなく今普通にしていますが、人間とか船とか網という物にはとても警戒しています。

おい、お前たちこっちへきてあそばないか?」

「ええっ!?」

カサゴのおばさんと、フグのお姉さんはあわててしまいました。(まさか!)

「いやっ、遠慮しておきますわ~。これからいそがしいので」 

「お食事中おじゃましました」

そういうとあわててにげだしました。この先、何をいわれるかわからない、と思うとヒヤヒヤものでしたから。

海のギャングといわれるだけあって、ギンギラ光った眼は怖い感じでした。

それでやはりトビウオのお兄さんの所へいきました。

「まだしばらくはいるつもりみたいよ。わたしたちと遊ばないかですって!あきれちゃう。やっぱり怖いから逃げてきちゃった!」

「そうよ、あんなに大きな口でパクリとたべられたらあっという間に天国行きだわ。勿論わたしたちは、食べてもまずいから

はきだしちゃうかも・・」

「そうか、しばらく様子をみよう。君子あやうきにちかよらず・・だね。正解だよ。さあ、ぼくはもう一度偵察にでかけるよ」

トビウオのお兄さんはそう言ってい行ってしまいました。

トビウオのお兄さんは一揆に飛ぶと、2~30メートルは飛ぶことができます。 かなり飛んだ時、イルカの群れが泳いでいました。

なんだかたのしそうでしたが、皆は急いでいるようなのでじっとみつめているだけでした。

イルカも大きいのでトビウオのお兄さんは、なるべくぶつからないようによけていました。

「あぶない、あぶない」

ところがしばらく行くとまた大きなうねりがありました。

「うん?あれは」

そうなのです。もうずいぶん前に去ったはずのマンタの群れでした。

「マンタのおじさん、まだいたの?」

トビウオお得意のワザをつかって、ビユーンと先頭までいくとさけびました。

「マンタのおじさん、まだいたのぉ~!」

「おや、君かね」

「もういないとおもっていたのに・・」

「いやいや、君がとぶっていったからさ、見届けてからいくよ。心配でね」

「ええっ、そうなんだ、ありがとう!」

思いがけない言葉にトビウオのお兄さんは胸があつくなりました。

こんな広い海で、ぼくたちをみまってくれているなんて・・・。もし成功しなければ・・と責任感を感じているのでしょうか。

そんなときでした。海底が何だかさわがしいのに気がつきました。

「だからなんなのよ~。これはわたしのものだってば」

「ちがうって!ここは私のなわばりよ」

「いつもそんなこといって。いつも私はだまされてしまうんだから。今回はぜったいにゆずらないからね」

どうやらケンカのようですが、一体何のケンカ?トビウオのお兄さんはある言葉を思いだしました。

それはマンタのおじさんが言っていたイソギンチャクという言葉です。海底の岩に張り付いて、イソギンチャクは色とりどりの

花がさいているようにその美しさをきそっていました。でもトビウオのお兄さんは、海底には行かないので見たこともありませんでした。

そしてそのケンカの主も知りたいという事で、いってみました。

「一体どうしたの、君たち・・」

イソギンチャンクは、トビウオのお兄さんを見て急にだまりこんでしまいました。

「ええ、わたしたちはイソギンチャクよ、だあれ?」

「ぼくはトビウオさ、なんだかケンカしているみたいなのできたのさ」

「ケンカよ、ケ・ン・カ・ 仲裁(ちゅうさい)はいらないわ。ほおっておいてね」

するととなりのイソギンチャクは笑いだしました。それでトビウオのお兄さんは思わずいってしまいました。

「今夜、お魚達はみんな、飛べる日なんだけど、もうじきにね」

「え、今なんていったの?」

「もうじき今日は満月の大潮なんだ、お魚が10年に一回飛べる日なんだ、イソギンチャクのみなさんもとばない?」

「あんた、ばかっじゃないの>」

その瞬間、イソギンチャクは急に自分の色を濃くして、あやしげにゆらゆらとしはじめました。

「どうしたの?・・・何か僕ぼくが悪い事をいった?」

「わたしたちはね。ここにいて、とぶことなんかできないのよ。ストレスが溜まってしようがないのよ。だからしょっちゅう

けんかしているのよ。いいわよね、トビウオ君はどこにでもいけて、見て、皆おこっているわ。さあ、もうこないで!」

イソギンチャクにひどくしかられてしまいました。

でも、自分は何もしらないのにうかつだったなあ・・・。自分はいつも自由にとんだり動いたりしているけれど、

みなそうとはかぎらないんだ、と反省しました。

イソギンチャクは岩場にはりついたようにはえていて、一生同じ場所ですごします。隣にはきれいなウミユリが

咲いていました。

「オホホホ、トビウオ君、しかられたわね!」

続く







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