童話 おさかなのとんだ日

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この物語は「おさかなのとんだ日」という童話集で、1998年、平成10年10月初出版デビューの記念すべき小さな童話を集めた本です。

何年もたち、見直してより良い物語にしようと、今全てをやりなおしています。だから原作とは違うかもしれません。

言葉は子供向ですからむつかしい表現や言葉はつかっていません。ご理解くさい。

海の中では魚たちがさわいでいます。

「おさかなはとんでいけないって法律はどこにあるのですか?」

トビウオのお兄さんは眼をキラキラさせて、皆に語りかけていました。

「ぼくはいい方法を知っています! 皆と一緒に大きな海よりも、あこがれの広い空で あおい空でとびたいのです!」

「どうして?」

小魚たちが集まって、真剣なトビウオのお兄さんの話をきいています。

「そうだ、そうだ、そんなこと言うなら教えてくれよ」

「それはなぜかっていうと・・・デモストレーション、とでもいおうか。皆が思い切りとんだら陸にすむ人間や動物はどれだけ

おどろくだろう!」

「なんのためだい、ぼくは賛成しないね」

そう言うのは大きな海ガメでした。

海ガメはわざわざ大空をとばなくても、海面すれすれに泳いでいてなんでも見えて知っているからでした。

トビウオのお兄さんは、スリムな体に背びれをひらひらさせて、それがお日さまにあたりとても綺麗に生き生きしています。

「ぼくはね、日ごろからレジスタンスを感じていてね。抵抗、とでもいおうか。何かパフオーマンスをしないではいられないんだ。

力が有り余っているっていおうか」

「うん、抵抗?抵抗して何になるんだ。バカだな君は」

カレイはのっぺりとした体に上についている右目だけをキョロキョロさせながら、海の底からうきあがってきているのです。

「まさか 君、魔法とかいうんじゃないだろうね?」

「そうじゃないが、 近いかも・・・」

「なーんだ。夢みたいなこと。しずかにしてくれ。昼寝の邪魔をしないでくれたまえ」

カレイはバカらしくなって、また海底にもぐっていきました。

カレイがさったあと、また沢山の魚が集まってきました。

トビウオのお兄さんは、ますます勢いを付けて熱くしゃべりだします。

イカのお兄さんも「君、ちょっと飛べるからってえらそうにするなよ。ぼくだってとべるんだから」

と横からいいました。

「いえいえ、そんなつもりはないですよ。ぼくはここを通りかかったマンタのおじさんに去年きいたんですよ。満月の夜のふしぎな

出来事を」

トビウオのお兄さんは一生懸命何かを訴えていますが、それはあまり相手にされませんでした。

でも、トビウオのお兄さんは、お魚が飛んではいけないっていう法律はどこにもない、と信じていました。

沢山魚はあつまってきますが、皆あまり真剣にはきいていないようです。

その時ちょうちょのようなひらひらした、ウミウシがゆっくり、ゆうがにまいながらきました。

「あらっ、たくさんあつまって、何してるの?」

「ははははは、ウミウシ君、相変わらずきれいだね。赤い服なんか着てどこへいくの?」

「あらっ、しらないならおしえてあげるわ。これから行くのはウミウシの舞踏会よ」

聞いてきたトビウオのお兄さんはひらめきました。

(そうだ、その舞踏会とやらに行かせてもらったらもっとたくさんのお魚にあえるかもしれない)

「ねえ、ウミウシさん、おねがいがあるんだけど」

「なあに?」

ウミウシは、持ってきた海うちわのようなセンスをぱたぱたさせながら、大きな目をぱちくりさせてウインクしました。

「うおっ、君のウインクのに悩殺(ノウサツ)されそうだ。いやいや、簡単なことさ。ぼくも舞踏会に連れて行ってくれないか。

ぜひ見学だけでもさせてよ」

「はっ?」

「ぼくは一言でいいから、そういう大勢の場所で発言してみたいのさ」

「なにを発言するの? 長いのはだめよ。本当に一言なら会長さんにたのんであげてもいいわ」

「ホント?ありがとう。恩にきるよ」

「私の想像だけど、トビウオ君は、ヒレが七色に光ってきれいだけど、夜はどうかしら?普通のさかなね」

といわれてしまいました。さて、どうしたものか???。

続く









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